Custom Cub road#19 JA10電装品配線は敗戦寸前(その2)

 さて、前回露呈してしまった電装系の迷走😓デジタルテスターでの電圧表示があまりにおかしいのが気になっていました。今回のカスタムではランプ類はLEDに換装していました。古い砲弾型の赤や黄色のLEDならまだしも、最近のLED、特に白色や青色は光量が高く、同時に安定した電圧が必要なのです。
 つまり、12Vの電圧が必要なLEDの回路に7V程度の電圧では、ほぼ点灯しないハズ。
 原因は発電機・発電回路?それともレギュレーター・レクチファイヤ?
 そもそも、レギュレーター(電源安定回路)・レクチファイヤ(整流回路)(以下REG/RECT)とは、なんぞ?って話になるかと思います。REG/RECTは上記写真の黄色囲み部品ですが、発電回路で発電した交流電圧をRECTで整流して直流変換し、目的の電圧12V付近にREGで安定化させるする装置です。

 で、JA10の問題になる回路図(回路図抜粋し再絵画)を読み取ると、点灯しない回路はREG/RECT装置から供給されている電装品が不点灯である。
 つまり、REG/RECT装置がなんらかの影響を受けている可能性が高い。
 しかし、ここで疑念が一つ、ヘッドライト用に購入した3000ケルビンのH4型LEDヘッドバルブはHi/Lo共になぜか点灯する。なぜ?
 そもそも、直流とか交流とか何😤って話もあるかもしれませんが、直流はプラスと̠マイナスが一定状態の電源、例として電池とかバッテリーですね。JA10で言えばざっくり12Vで駆動しています。
 では、エンジンを回して発電している電気はどうかと言うと、交流なんですね。交流とは、時間ごと電圧がプラスになったり、マイナスになったりする電気の事です。
 しかし電気で動く装置のほとんどは直流で動くため、交流を直流に変換する必要があります。この作業を行うのがRECT(整流回路)なんです。
 JA10で言うと、片側(プラス側とします)をバッテリー充電専用に使用し、もう片側(マイナス側とします)をヘッドライトなどの一部の電装品に使用しています。
※マイナスと言っても実際マイナス12Vを使うわけではなくマイナス12Vから0Vの電位差では12Vなので、プラスマイナスの違いはありません。

 また、整流方法には全波整流と半波整流があります。全波整流は整流時にRECTでマイナス側も同一方向にまとめて、REGで電圧を安定させており、電圧の落ち込みが少なくなります。よって安定した12Vの電圧が確保できます。

 これに対しJA10は半波整流で、プラス側とマイナス側を別々に整流し、電圧の安定化を図ります。電圧安定化時に、半波分が無いので落ち込みが大きくなります。実施にはコンデンサやスーパーキャパシタ等を使って余剰電圧を貯めながら安定化を図るのですが、小型エンジンは発電量も低く、電圧降下が発生し安定した電源が得られないのです。
 電球では6Vだろうが12Vだろうが暗いか明るいかの違いだけで点灯します。LEDは前述のとおり、そうはいきません。LEDドライバ電圧の範囲にならないと点灯しないモノがほとんどです。
 では、なんでヘッドライトは点灯出来たのかと言うと、まったく気にもしていなかったのですが、購入したH4LEDヘッドバルブは交直両用で安定化電源内蔵型だったんですね。
 ネットで調べてみると、JA07やJA10のLED化の話は多いのですが、やっぱり挫折している話が多いのですね。成功例としては、発電用のコイルに手を加えて全波整流回路に改造するパターンが多いみたいです。
 
 当然全波整流にすれば良いのですが、またクランクカバーを開けるのも面倒だし、そもそももっと気軽にできる方法があれば・・・ヘッドライトは問題ないわけだし。
 そこで、出てきたのが上の回路図。問題ないヘッドライト以外の、メーター照明とテールライトをREG/RECT回路から切り離し、イグニッションON回路(オプションコネクタ)から電源を取り出し、ここから電源を取るわけです。
 オプションコネクタとは、上記写真の赤色キャップでかぶっているコネクタです。
 ここから配線分岐を取るキットなんかが販売されているので、これを使って電源を取り出します。
 あとは、メーター照明とテール照明に電源を持っていくだけ。これでイグニッションONで照明もONになりました。
 ついでに、反応の悪かったブレーキ回路。スイッチには問題が無かったので、これもワイヤーハーネスをバイパス。新たに配線を新設してこちらを使用します。

 カブなど旧式の小排気量バイクの電源回路の知識が薄く、多少困惑しましたが無事に電装系も全て換装することができました。

 1点、発電に関してですが、先の図で「プラスをバッテリー充電、マイナスを一部の電装に使用」と言いましたが、現在マイナス側はヘッドライトのみ、バッテリーの使用量も増え、発電のバランスも悪いんじゃないのか?という考えもあるかもしれませんが、実際LED化により電球類の消費電力は下がっています。ちなみにヘッドライトの消費電力はバルブ式と同一の30/35Wの消費電力なので、ざっくり問題ないでしょう。

 さて、電装系の問題も解決したので。最後の仕上げに入っていきます。                                               
追記:LEDヘッドライトで問題なく点灯していたのですが、配線をいぢってるうちに、LEDヘッドバルブが破損?点灯しなくなってしまいました。原因については定かでは、ありませんがショートによるものか  (ヒューズは飛んでいない)、回路的問題か、そもそもLEDバルブの問題かよく分かりませんが、峠越え通勤仕様にはヘッドライトが命なので、安全策を取ってハロゲンバルブに戻しました。そこまでLEDにこだわっている訳でもないので、3500ケルビン程度の黄色かかったハロゲン光も味がアル…と納得する茶ぢぢぃでした。

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